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2011/09/20 / phonda

コマ落ち

駅構内にあるコインロッカー前でのこと。

50代くらいのおじさんが、コインロッカーのいちばん下の段のドアを激しく開け閉めしながら、その横でしゃがみ込んでいる女性職員に、大きな声で何かを言っている。

ドアが閉まらないと抗議をしているようだった。

僕はそれを遠目に見ていたのだが、そりゃ閉まらないだろうなと思った。女性職員もすぐそのことに気づいたようだった。

「こちらにお金は入れていただきましたか?」

おじさんは一瞬だけうろたえて、バッグをドスンと床に置いて、「入れたよ!」と言ったが、嘘である。僕は見ていたので知っている。入れていない。

引くに引けなくなったのだろうが、嘘はよくない。

そんなことより、しゃがみこんだ女性職員の腰のところから下着が見えていて、べつに見たくもないのに、見てしまう俺。みたいなものとの戦いに移行していた。

しかし、すぐ次の瞬間には、飲んでいた充実野菜の味に気をとられていたし、それからは、先程の二人に目を戻してももう、イカヅチを落とせるとしたらどこに落とすか、といった事しか考えられなくなっていた。

自分の人格というものが、いったい何に属しているものなのか、よく分からなくなる瞬間だ。

ただ逆に、そこにいて、どこにもいない、そういう状態になっているときの、善も悪も持っていない自分にすごく興味がある。

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