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2011/07/22 / phonda

ボーイ・ミーツ・ガール・ミーツ・ウンコ・ミーツ・ボーイ

バカ野郎め! と歓喜した映画、『君と歩こう』について。

今現在、Amazonでもレビュー数は堂々の0件。僕の住む田舎町のツタヤにも置いてあったくらいだから、そこまでマイナーな作品でもないはずなので、もっと光があたって欲しい映画である。

石井裕也監督の映画は、はじめて山下敦弘監督の作品を観たときにも感じた、のんびりと物静かで淡々と狂っている世界がそこにあって、とても居心地が良い。

どちらも落ち着いた映像センスを持ちながらも、小中学生のような感性をぶつけてくる人である。実年齢的に年下の石井監督のほうが、その目線も幼いように感じる。

というのは、映画にうんこが出てくるからである。

両親が自殺してしまった男子高校生と、ワケありの女性英語教師が、考えもなしに駆け落ちをするという、下手をすると暗くなってしまうような話だ。

ゆえに、排泄物は人間の脱出願望のメタファーなのか、などとも考えたが、そういうんではなく、ただ、うんこが好きなだけのようだった。

コントのようなシーンが続くので、コメディのようだが、全体をド真面目な視点が支配しているのはなぜか。

フィクションに課せられたリアリティとは、嘘をつかないという一点に尽きる。主人公が、親のいない小学生に「プロ野球選手ですか?」と聞かれ、そうだと答えるのは、この映画が観客に嘘をつかないからだ。

うんこもまた、役者として丁寧に扱われながら、嘘をつくことなく処理されていく。

先にも子供のような目線と書いたが、子供は虚構と現実を区別して生きてはおらず、そこにあるのは単純な欲望であり、欲望は嘘をつかないのである。

観客としても欲望のまま、ビール片手にバカ笑いして観るのが良いだろう。

うんこを拾うシーンも最高だが、最後にいきなり「5年後」となったあとの2人のやり取りは、希望に満ちあふれていてキュンと来る。

最近のなかで一番良かった映画だ。

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