Skip to content
2011/05/28 / phonda

『ブラック・スワン』を観に逝こう!

突然だが、死にたいと思ったことはあるだろうか。僕はある。よくある。

それと同じくらい、生きたいとも思うが。

映画『ブラック・スワン』は、誰もが持っているはずの、その「死にたい」をかなえてくれる作品であった。

白と黒のコントラストと、頻出する鏡写しの映像が、光と影、美と醜、愛と憎、男と女、親と子、自由と束縛、そして生と死、さまざまな「対」を強調する。

この「対」の境界が、「赤」(血、口紅、照明、舞台のカーテンなど)を合図に壊されていく。

バレリーナである主人公の美しい舞いの裏には、常に不安と焦りがあり、ときにホラー映画のような幻覚が映し出されるのだが、これが恐ろしい。

狂気に追いつめられながら、なんとか主役の座を獲得するも、主人公は舞台の本番でつまらないミスをしてしまう。

そこで見せる悲しみの表情が、どんな悲しみよりも悲しく、とても印象的だった。

しかし、ここから豹変する華麗なプログラムは、映画の内側と外側の、両方の観客を魅了することとなる。

拍手喝采を浴び、すべてから解放された主人公が得た本当の「完璧」は、僕たちにもまったく同じカタルシスを与えてくれる。

それはあまりにも美しく甘美な「死」の体感なのである。

追記:観終わったあとの興奮状態のまま書いたから、堅くるしい文章になってしまった……。でも、映画のほうを観ていただければ、それもご理解いただけるのではないかと。

広告