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2011/02/22 / phonda

クレイジー・タクシー(中編)

つまり、その仕事とは、デリバリーヘルスのドライバーだった。

その頃は「デリヘル」という言葉がそこまで明るみに出ていなかったと思う。

「簡単に言うとホテトルな。分かるよな」
「いや、どうでしょう」

顔は怖いけど、893の人は話してみると気さくで、言葉が真っ直ぐで面白かった。僕は自分が想像していた、「女の子を車で運ぶ仕事」のイメージを話した。

「バカかお前。今まで1回も風俗とか言ったことねえの?」
「ないです。怖いです」
「死ねよ金髪」
「……システムとかが意味不明っていうか」
「じゃあ教えてやるから行けよ」
「やです。金ないし」
「こいつチンコ野郎だな。ウチでやりゃ、月に100万は稼げる」
「100万!」
「おう。お前はチンコだから100万は無理だな」
「チンコだとどのくらい稼ぐんですか?」
「チンコだとっていうか、いくら稼ぎたいか。その気持ち」
「じゃあ月に1,000万」
「死んでこい。俺でもそんなに貰ってねえ。とりあえず行ってこい」
「風俗にですか?」
「お前、チン毛も金髪にするぞ。仕事だよ、仕事! まずラブホな」

そんなやり取りがあって、僕は言われるがまま女の子を迎えに、車でラブホテルに向かった。

<つづく>

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