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2011/01/28 / phonda

スパム文学賞

高校受験のときに面接試験があった。

面接官:「あなたの中学校生活で一番の思い出は何でしたか?」
僕:「林間学校です」
面接官:「そうですか。どこへ行ったのですか?」
僕:「えーと、キャンプ場です」
面接官:「それはどこにありました?」
僕:「……覚えてないです」
面接官:「覚えて、ない?」
僕:「はい、忘れました。旅行会社のバスだったので」
面接官:「そうですか……。そういうのは一番の思い出とは言わないかもしれないですね」
僕:「あー……」
面接官:「次に行きましょう。部活動の話」
僕:「はい」

このままずっと20年間、僕は変わっていない。べつに悪いとも良いとも思ってないが、相手が急に興味をなくしていく感じの淀んだ空気には耐性がついているように思う。

たぶん本当は「あー……」のところが食い下がるポイントなのだろうけど、世界の人口は69億人。日本だけでも1億2千万人。これから生まれてくる人、もう死んでしまった人、全部含めたら無限人。食い下がる必要はない。

だから僕は文を書くのだし、その「林間学校の本編」を、いつかどこか、僕の知らないところで僕の知らない誰かが読んで、やっぱり結局そこでもまた「そういうのは一番の思い出とは言わないですね」的に切り捨てられるのかもしれないと想像しながら書くのが面白い。超好き。

若干変態なのだろう。「若干」と付けたのは、変態であることをアイデンティティーとしている人への配慮で、自尊心ではない。キモいとか言われるの、ぜんぜん余裕です。甘んじて受け入れます。

だって、実際キモいもんな。

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