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2009/06/09 / phonda

単品の夏

夏も近づく八十八夜!(なんのことかは知りません)

夏はいい。夏が大好きだ。と言うと、海に行ってザバー!野外フェスに行ってフォー!ビール飲んでカンパーイ!花火がドーン!みたいなことだと相場が決まっているけれども、僕の好きな夏はそんなのではない。むしろそれは大嫌い!

しりあがり寿の本で『瀕死のエッセイスト』という漫画があって、そのなかの「夏の夢が」という話が、僕にとっての夏のイメージそのもの。

主人公は夢のなかで、どこか見たことのあるような町を歩いている。なつかしさに浸りながら散歩をしていて、ふと路地に入ってみる。薄暗い路地を抜けるとそこは小さな空き地である。自転車とひまわり。木陰。キラキラと光る葉っぱ。昼寝をする子供の白いランニングシャツ。セミの声。

太陽を見上げて「夏だ!夏だ!」と思ったとたんに主人公は涙が止まらなくなってしまい、目を覚ます。そこは病院のベッド。暗い夜中の病室は静まりかえっている。ボーッと室内を少しだけ見回し、状況を確認したところで、静かに嗚咽をもらしながら主人公は涙を流す。

太陽と雲。夏のよく晴れた空を想い、主人公はこう言う。

「ボクはその時 ほんとうに 生きたいと思いました」

これですよ、夏は。夏はただ毎日バカみたいに暑いだけでいい。うるさいほどの生命と、他人事のような静寂がスパーッとシンクロする瞬間を「夏」と呼ぶのであーる。

僕は夏が大好きだ。

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